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株式は離婚時にどう分ける?財産分与の対象と分割方法をわかりやすく解説
離婚に伴う財産分与では、現金や預貯金、不動産などが一般的ですが、「株式」も対象になる場合があります。
ただし株式には、時価の変動や名義、売却の可否など他の財産とは異なる特徴があるため注意が必要です。
今回は、株式が財産分与の対象になる条件と、具体的な分割方法をわかりやすく解説します。
株式は財産分与の対象になるのか
まずは株式と財産分与の関係を確認していきましょう。
婚姻期間中に取得した株式は対象
原則として、結婚期間中に夫婦の協力で築いた財産は「共有財産」として財産分与の対象になります。
現金や不動産に限らず、婚姻期間中に購入した株式も同様です。
たとえ名義が夫または妻のどちらか一方になっていても、購入資金が夫婦の共有財産から支出された場合は、分与の対象になります。
婚姻前に購入した株式は原則として対象外
一方で婚姻前から保有していた株式や、相続・贈与で取得したものは「特有財産」とされ、原則として分与の対象にはなりません。
ただし、評価の基準や資金の出所によっては、争いになる可能性もあるため事前の確認が必要です。
また、会社名義の株式も財産分与の対象外になります。
株式を分けるときの主な方法
株式を分けるときの主な方法は、以下の3つです。
①株式を売却して現金で分ける
②一方が保有し、もう一方に代償金を支払う
③株式をそのまま分け合う(名義変更)
それぞれ確認していきましょう。
①株式を売却して現金で分ける
シンプルなのが、保有している株式を売却し、代金を分け合う方法です。
相場がある程度安定している上場株式であれば、売却が現実的です。
ただし、売却のタイミングによって価格が変動するため、話し合いのうえで時価を決める必要があります。
②一方が保有し、もう一方に代償金を支払う
たとえば夫が株式を引き続き保有する代わりに、妻に相当額の現金(代償金)を支払うという方法もあります。
非上場株式など、売却が困難な場合は、こちらの方法がおすすめです。
③株式をそのまま分け合う(名義変更)
証券会社を通じて、株式を夫婦間でそのまま分割することも可能です。
ただし、非上場株式や制限付きの株式の場合は、会社側の承諾や譲渡制限の有無を確認する必要があります。
株式の分与でよくあるトラブル
株式の分与でよくあるトラブルは、以下の2つです。
- 名義だけを理由に対象外と主張される
- 株式の分与が困難
それぞれ確認していきましょう。
名義だけを理由に対象外と主張される
たとえば夫名義の証券口座で管理されている株式でも、婚姻期間中に買ったものであれば、妻にも共有財産としての権利があります。
名義だけで判断せず、資金の出所や購入時期などを確認するのが大切です。
株式の分与が困難
非上場企業の株式や同族会社の持ち株は、簡単に売却できない場合があります。
そのため、実際の分与が難航しやすく、別の方法を検討する必要があります。
まとめ
株式も、婚姻期間中に取得したものであれば財産分与の対象となります。
ただし、評価額や売却の可否など、現金や不動産とは異なる注意点があります。
トラブルを避けるためにも、なるべく早めに弁護士などの専門家に相談しながら、納得のいく形での分与を目指しましょう。
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